【現場のプロが解説】リフォーム施工管理の1日と必要なスキル

入居中の住まいや、営業を止めずに進めるテナント工事など、リフォーム施工管理は新築現場とは異なる段取り力が求められる仕事です。この記事では、リフォーム施工管理の1日の流れと、現場で実際に必要になるスキルを紹介します。

リフォーム施工管理とは

リフォーム施工管理は、戸建てやマンションの改修工事、店舗やオフィスの内装工事などを対象に、工程・品質・安全・原価を管理する仕事です。新築工事と違い、既存の建物を活かしながら工事を進めるため、事前の調査や近隣・入居者への配慮がより重要になります。

現場規模は数十万円の部分リフォームから、数千万円規模のビル全体改修まで幅広く、案件ごとに求められる知識や調整の難易度が変わります。

市場動向・最新データ【2025〜2026年】

建設経済研究所の見通しでは、2026年度の建設投資額は80兆7,300億円(前年度比5.3%増)と見込まれており(出典:建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」2025年10月)、民間非住宅投資は工場・倉庫・商業施設の活発な動きを背景に前年度比5.9%の増加が見込まれています。既存ストックの改修需要は、こうした非住宅投資の拡大とあわせて底堅く推移する見通しです。

既存ストック活用の流れとリフォーム需要

新築着工が伸び悩む局面でも、既存建物を改修して使い続ける動きは根強く、リフォーム施工管理の求人は景気の波に左右されにくいという特徴があります。人手不足が続く建設業界の中でも(出典:総務省「労働力調査」/国土交通省作成資料。2024年の建設業就業者数は477万人)、住まいながら工事を進める調整力を持つ人材への需要は高まっています。

リフォーム施工管理の1日の流れ

朝は現場事務所や施主宅で、その日の作業内容と搬入する資材を確認するところから始まります。入居中の現場では、作業音や資材の搬入時間について事前の取り決めがあるため、近隣や居住者への朝の挨拶を欠かしません。

  • 8:30 現場入り、当日の作業内容と安全確認
  • 9:00 職人への指示出し、資材搬入の立ち会い
  • 11:00 施主・テナント担当者との打ち合わせ
  • 13:00 工程進捗の確認、写真記録の整理
  • 15:00 近隣対応、翌日以降の資材発注
  • 17:00 事務所に戻り日報作成、翌日の段取り確認

新築現場に比べて1日の作業範囲は狭くても、施主対応や近隣対応に割く時間の比重が大きいのが、リフォーム施工管理ならではの特徴です。

繁忙期・閑散期の違い

水回りなど生活への影響が大きい工事は、長期休暇を利用して依頼されることが多く、年末年始やゴールデンウィーク前後は問い合わせが集中しやすい時期です。一方、店舗やオフィスの内装工事は、テナントの契約更新や移転のタイミングに合わせて発注されるため、案件の波が個人宅とは異なるサイクルで動きます。複数の案件種別を掛け持ちできると、繁忙期の偏りを平準化しやすくなります。

新築施工管理との違い

新築工事は更地から計画通りに作業を積み上げていきますが、リフォーム工事は解体してみないと分からない壁の中の配管や構造の状態に対応しながら進めます。想定外の事態への対応力と、施主への説明力が、新築以上に求められる場面が多くなります。

工期についても違いがあります。新築は着工から竣工まで数ヵ月単位で計画されますが、部分リフォームでは数日から数週間という短い工期で複数の案件を並行して回すことも珍しくありません。1つの現場に長く関わる新築と、短い周期で多くの現場を経験できるリフォームでは、身につくスキルの種類にも違いが出てきます。

案件規模別に見る現場の特徴

リフォーム施工管理が扱う案件は、規模によって求められる動き方が変わります。個人宅の水回り改修のような小規模案件は、1人の担当者が複数件を同時に受け持つことが多く、スピード感のある判断力が試されます。一方、マンション一棟の大規模改修やビルの全面改修になると、複数の協力会社をまとめる統率力や、長期にわたる工程管理力が求められます。

店舗やオフィスの内装リフォームでは、テナントの営業や引っ越しスケジュールに合わせて工事を組む必要があり、施主だけでなくビルの管理会社やテナント側の担当者との調整も欠かせません。夜間や休業日に限定して作業を進める案件もあり、日中とは異なる勤務時間の調整が必要になることもあります。案件の種類を経験するほど、対応できる現場の幅が広がっていきます。

年収・待遇

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、建設業全体の平均年収は令和6年時点で565.3万円です(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。リフォーム施工管理の年収は、扱う案件規模と会社の業態によって幅がありますが、おおむね次のような水準で推移する傾向があります。

経験年数年収目安
1〜3年350〜420万円
5〜10年450〜600万円
現場責任者クラス600〜800万円

大規模改修やビルの内装リフォームを手がける企業では、案件単価が大きいぶん、担当者の評価が年収に反映されやすい傾向があります。個人宅中心の小規模リフォーム会社と、法人向けの大規模改修を手がける企業とでは、待遇水準に差が出やすい点も転職先を選ぶ際の判断材料になります。基本給に加えて、案件の受注状況に応じたインセンティブを設けている企業もあるため、求人票を確認する際は評価制度まで含めてチェックしておくと安心です。

必要な資格・スキル

  • 建築施工管理技士(1級・2級)
  • 建築大工技能士(現場を理解するうえで有利)
  • インテリアコーディネーター(提案力を高めたい場合)
  • 入居者・テナント対応のコミュニケーション力
  • 限られた工期の中で工程を組み直す調整力

資格がなくても、内装や設備の実務経験があれば転職の間口は広く、未経験からリフォーム業界に入り、現場をこなしながら資格取得を目指す人も多くいます。特に、住宅設備の営業や大工職からのキャリアチェンジは、現場の勘所を理解している分、早期に戦力化しやすい傾向があります。

キャリアパス

入社後はまず、小規模な部分リフォームの担当から始まり、施主との打ち合わせから引き渡しまでの一連の流れを覚えていきます。経験を重ねると、マンションの大規模改修やビル全体の内装工事など、規模の大きい案件を任されるようになります。将来的には、複数現場を統括する現場責任者や、リフォーム会社の営業と設計をつなぐ企画職、独立して工務店を構える道など、キャリアの選択肢は多岐にわたります。

リフォーム施工管理に向いている人

解体してみないと分からない部分に柔軟に対応できる人や、施主の暮らしを想像しながら工程を組める人は、リフォーム施工管理に向いています。新築現場のようにゼロから計画を組み立てる経験がなくても、日々の変化に合わせて段取りを調整する力があれば、現場で評価されやすい職種です。

反対に、決まった手順どおりに進めることを好むタイプには、想定外の対応が続くリフォーム現場はストレスに感じられる場合もあります。転職前に、実際の現場を見学したり、現職の担当者から1日の流れを聞いたりして、働き方のイメージをすり合わせておくと安心です。

入居者やテナントとの距離が近い分、工事に伴う音やにおい、生活動線への影響について、事前の説明とお詫びを丁寧に重ねる場面も多くなります。クレームにつながりそうな懸念を先回りして伝えられる人ほど、施主からの信頼を得やすく、次の案件の紹介にもつながりやすい傾向があります。こうした信頼の積み重ねが、リフォーム施工管理という仕事の口コミや紹介案件を支えている面もあります。

企業選びのポイント(専門会社・ハウスメーカー系列・工務店系列の違い)

リフォームを手がける企業は、大きく分けてリフォーム専門会社、ハウスメーカーの系列会社、地域の工務店系列の3タイプがあります。リフォーム専門会社は案件数が多く、幅広い規模・種類の現場を経験できる一方、担当エリアが広く移動が多くなる場合があります。

ハウスメーカー系列は、自社で建てた住宅のアフター改修を中心に扱うため、設計図面や仕様が把握しやすく、進め方が標準化されている傾向があります。地域の工務店系列は、地元の顧客との長い付き合いの中で仕事が生まれるため、施主との関係構築力がより重視される現場が多くなります。どのタイプが自分の志向に合うかを見極めることが、転職後のミスマッチを防ぐ第一歩です。求人票だけでは分かりにくい部分は、面接や職場見学の機会を使って、実際の案件構成や担当エリアの広さまで確認しておくと安心です。

転職を成功させるポイント

リフォーム施工管理への転職では、新築との違いを理解したうえで、施主対応の経験や、限られた条件の中で工程を組んできた経験を具体的に伝えることが評価につながります。CIWでは求人情報転職決定実績を公開しており、無料相談を通じて、リフォーム業界特有の選考ポイントについても案内しています。

まとめ

リフォーム施工管理は、既存の建物と暮らしを止めずに工事を進める、調整力が試される仕事です。新築とは異なるやりがいがあり、既存ストック活用の流れの中で需要も底堅く推移しています。1日の流れをイメージしたうえで、自分の経験がどの案件規模や企業タイプで活きるかを整理し、転職活動の参考にしてください。転職エージェントを併用すれば、こうした企業タイプごとの違いも踏まえた求人紹介を受けられます。

よくある質問

リフォーム施工管理は未経験でも転職できますか?

内装や設備工事の実務経験があれば、未経験からでも転職しやすい職種です。現場を経験しながら資格取得を目指す道も一般的です。

新築施工管理からリフォームへの転職は可能ですか?

可能です。工程管理や品質管理の基礎は共通しており、既存建物への対応力や施主対応の経験を積むことでスムーズに移行できます。

リフォーム施工管理は残業が多いですか?

入居中の現場では作業時間が制限されることが多く、工期内に収める調整力が求められますが、2024年問題を受けた労働時間管理の徹底により、以前より働き方は改善傾向にあります。

女性でもリフォーム施工管理として働けますか?

施主対応やテナント対応など、体力面以外の調整力が重視される場面が多く、女性の活躍が広がっている分野です。

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CIW Construction 編集部

執筆者:CIW Construction 編集部

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