【2026年最新】建設業界の人手不足の実態と外国人材活用|数字で見る現在地

建設業界の人手不足は長年指摘されてきた課題ですが、その中身は年々変化しています。本記事では公的統計から実態を確認したうえで、外国人材の受け入れ制度や企業側の対策、転職市場への影響までを、建設・不動産・エネルギー業界の転職支援を行うCIWが解説します。

数字で見る建設業就業者の実態

総務省「労働力調査」をもとに国土交通省が作成した資料によると、建設業の就業者数はピークだった1997年の685万人から減少を続け、2024年には477万人となりました。ピーク比では約7割の水準です。現場で実際に手を動かす建設技能者に限ると2024年は303万人で、こちらもピーク時の464万人から6割台まで落ち込んでいます。

建設業就業者数ピーク比
1997年(ピーク)685万人100.0%
2010年498万人72.7%
2020年492万人71.8%
2024年477万人69.6%

出典: 総務省「労働力調査」(国土交通省作成資料より)。単純な人数の減少以上に深刻なのが年齢構成の偏りです。2024年時点で55歳以上が就業者全体の約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまっています。過去20年の推移を見ると、65歳以上の就業者は37万人台から80万人台へと倍以上に増えたのに対し、29歳以下は約88万人から約56万人へと減少しました。若い世代の入職が細っている一方でベテランが現場を支え続けている構図が、統計からはっきりと読み取れます。

このままではどうなるのか

国土交通省の試算では、現状のトレンドが続いた場合、建設業就業者は2030年に400万人、2040年には300万人を割り込む可能性があるとされています。東京商工リサーチの調査では、すでに8割超の建設会社が「正社員不足」と回答しており、人手不足は一部の大手だけでなく業界全体に広がっている問題であることがわかります。受注はあっても現場を動かす人がいないという状況が、地方の中小建設会社を中心に現実味を帯びています。

地域・工種による差

人手不足の度合いは地域や工種によって濃淡があります。都市部では再開発やインフラ更新の案件が集中し、技術者・技能者の奪い合いが起きやすい一方、地方では若手の流出そのものが深刻で、そもそも応募が集まらないという声も聞かれます。型枠や鉄筋、電気設備など専門性の高い工種ほど、経験者の確保が難しくなっている傾向も指摘されています。会社によって直面している課題の性質が異なるため、対策も画一的ではなく、それぞれの事情に応じた工夫が求められています。

外国人材活用の広がり

担い手不足を補う手段の一つとして、建設業界では外国人材の受け入れが年々広がっています。従来の技能実習制度に加えて、一定の技能と日本語能力を持つ人材を対象にした特定技能制度が設けられ、建設分野は受け入れの対象業種に含まれています。国はさらに技能実習制度を見直し、人材育成と人材確保の双方を目的とする新たな枠組みへ移行する方針を打ち出しており、外国人材が長期的にキャリアを積みながら現場に定着できる仕組みづくりが進められています。

受け入れ現場で起きている変化

現場では、外国人材向けの安全教育や作業手順の多言語化を進める会社が増えています。単に人数を補うだけでなく、技能を継承する仲間として長く働いてもらうための環境整備に力を入れる企業が目立つようになってきました。日本人従業員との意思疎通を円滑にするための研修や、生活面のサポート体制を整える動きも広がっています。

技能実習と特定技能の位置づけの違い

技能実習制度がもともと開発途上国への技能移転を目的としていたのに対し、特定技能制度は人手不足が深刻な業種に即戦力となる人材を受け入れることを目的に設けられた制度です。目的が異なるため在留期間や転籍の自由度といった枠組みにも違いがあり、企業側はどちらの制度を使うかによって採用計画の立て方が変わってきます。新たに検討されている制度は、この二つの制度で分かれていた目的を整理し、人材育成と長期的な人材確保を両立させる方向を目指すものです。

企業が進める人手不足対策

外国人材の受け入れと並行して、既存の人材の定着と生産性向上に取り組む企業も増えています。代表的な取り組みは次の通りです。

  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録を通じた技能者の処遇・評価の見える化
  • 週休二日制の導入による働き方の改善と若手からの応募増加
  • i-ConstructionやBIM/CIMなど、ドローンや3次元データを活用した施工の効率化
  • 資格取得支援制度の拡充による社内でのキャリアアップ促進

これらの取り組みは即効性のある解決策というより、数年単位で人材の定着率や生産性を底上げしていく地道な対策です。特に週休二日制は、若い世代が就職先を選ぶ際に重視する条件として、企業側の対応が進みつつあります。

加えて、中途採用の間口を広げる会社も増えています。異業種からの転職者や施工管理の経験がない求職者にも研修体制を用意し、資格取得を後押ししながら戦力化する動きは、以前と比べて明らかに広がりました。人手不足という課題を、社内の育成力そのものを底上げする機会と捉える会社ほど、結果的に定着率も高まる傾向にあります。

2024年問題との関わり

2024年4月から建設業にも罰則付きの時間外労働上限規制が適用され、月45時間、年360時間(特別条項でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内)という上限が設けられました。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2024年の建設業の年間労働時間は前年比84時間減少しており、規制の効果は数字にも表れています。一方で全産業平均と比べると依然として労働時間は長く、限られた人員で工期を守る難しさは残ったままです。人手不足と労働時間規制が同時に進む状況が、外国人材の活用や施工の効率化を一段と後押ししていると見ることができます。

現場の管理側にとっては、限られた労働時間の中で従来と同じ工期を守る難しさが増しており、工程の見直しや外部への発注の分散、複数の現場を掛け持ちしない体制づくりなど、運用面での工夫が求められています。労働時間規制と人手不足の両方に対応するには、個々の現場だけでなく会社全体で受注量と人員配置のバランスを見直す動きが必要になってきています。

転職市場への影響

人手不足は求職者にとって決して悪い話ばかりではありません。経験者はもちろん、未経験からの入職を歓迎する求人も増えており、資格取得を支援する制度を整える企業は人材確保の観点からも積極的です。2025年春闘では建設業の平均賃上げ率が5.46%となり、大手ゼネコンの初任給も引き上げが続いています。処遇改善の動きが業界全体に広がるなかで、転職や入職を検討するタイミングとしては追い風が吹いている状況といえます。

転職を検討する際のポイント

人手不足を背景に採用意欲が高い会社が多い一方で、その内実は会社によって差があります。求人票の条件だけでなく、週休二日制の実施状況やCCUSへの登録状況、外国人材の受け入れ体制なども確認しておくと、実際の働きやすさを見極めやすくなります。CIWでは建設・不動産・エネルギー業界に精通したコンサルタントが、非公開求人を含めた紹介と企業ごとの内部事情も踏まえたご相談に対応しています。まずは無料相談で今の市場感を確認し、これまでの転職支援実績もあわせてご覧ください。

まとめ

建設業就業者数はピーク時の約7割まで減少し、55歳以上が全体の約37%を占めるなど、高齢化は統計の上でもはっきりと表れています。国の試算では2030年に400万人、2040年には300万人を割り込む可能性も指摘されており、外国人材の受け入れ拡大やCCUS、週休二日制、施工の効率化といった対策が並行して進められています。人手不足は業界にとって重い課題である一方、求職者にとっては処遇改善や採用機会の広がりというかたちで表れています。転職を考えるなら、業界の動きを踏まえたうえで自分に合った会社を見極めることが大切です。

よくある質問

建設業界の人手不足はどのくらい深刻ですか?

就業者数は1997年の685万人から2024年に477万人まで減少し、東京商工リサーチの調査では8割超の建設会社が正社員不足と回答しています。国の試算では2030年に400万人、2040年には300万人を割り込む可能性もあるとされています。

外国人材の受け入れは日本人の雇用を圧迫しませんか?

建設業では担い手そのものが不足しているため、外国人材は不足分を補う位置づけです。実際には日本人・外国人問わず処遇改善や教育体制の整備が進んでおり、人材全体の定着を高める方向に取り組みが進んでいます。

技能実習制度は今後どうなりますか?

国は技能実習制度を見直し、人材育成と人材確保を両立させる新たな制度への移行を進めています。外国人材が長期的にキャリアを積み現場に定着できる仕組みづくりが進められています。

人手不足の今、転職市場は求職者に有利ですか?

未経験者を歓迎する求人や資格取得支援制度を整える企業が増えており、2025年春闘では建設業の平均賃上げ率が5.46%となるなど処遇改善も進んでいます。転職や入職を検討するには追い風が吹いている状況といえます。

会社ごとの人手不足対策の違いはどう見分ければよいですか?

週休二日制の実施状況やCCUSへの登録状況、外国人材の受け入れ体制などを求人票や面接で確認すると、実際の働きやすさを見極めやすくなります。

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CIW Construction 編集部

執筆者:CIW Construction 編集部

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