【2026年版】60代でも需要が高い建設系資格5選|定年後も求人が続く理由と活かし方

建設・不動産・エネルギー業界で60代になっても求人が続く資格には、共通する特徴があります。法律で選任義務が定められているため、有資格者がいなければ業務が止まるという構造が、年齢に関係なく需要を生み出しています。本記事では、定年後も活躍できる建設系資格を5つ取り上げ、需要が続く背景と活かし方を整理します。

需要が途切れない資格に共通する特徴

60代でも求人が続く資格の最大の共通点は、法律に基づく配置義務です。有資格者が一定数いなければ事業を行えないという業法の仕組みがある分野では、定年を迎えた有資格者が退職するたびに後任の確保が必要になります。採用側は年齢より「資格を持ち、実務をこなせるかどうか」で判断するため、有資格の60代が選ばれる場面が生まれます。

建設業の就業者数は2024年で477万人まで減少し、55歳以上が全体の約37%を占めています(出典: 総務省「労働力調査」)。一方、29歳以下はわずか約12%にとどまり、若手の供給が追いついていません。国土交通省の試算では2030年に400万人を下回る可能性があります。就業者が減り続ける中で配置義務のある資格の需要は構造的に維持されており、60代の有資格者が歓迎される市場が続いています。

東京商工リサーチの調査では、8割を超える建設会社が正社員不足を訴えています(出典: 東京商工リサーチ)。担い手不足は建設技能者だけでなく、有資格の技術者にも広がっており、60代のシニア有資格者を積極的に採用しようとする企業は全国各地で増えています。

5つの資格を一覧で比較する

定年後も活躍できる主要5資格を、法定の配置義務・主な活躍フィールド・年収目安の観点から整理しました。

資格法定配置義務の根拠主な活躍フィールド60代の年収目安
1・2級施工管理技士建設業法(専任技術者・監理技術者)ゼネコン・工務店・管理監督450〜650万円
1級建築士建築士法(大規模建築の設計・監理)設計事務所・発注者支援500〜700万円
電気主任技術者(電験)電気事業法(電気設備の保安監督)工場・病院・再生可能エネルギー400〜600万円
宅地建物取引士宅地建物取引業法(5人に1人以上)不動産仲介・管理・開発350〜550万円
技術士(建設部門)建設コンサルタント登録(部門要件)インフラ設計・発注者支援変動(業務委託含む)

年収目安は企業規模・雇用形態・地域によって異なります。フルタイムの正社員だけでなく、嘱託・業務委託という形を含めると、実際の年収帯は上下します。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和6年)では建設業の平均年収は565.3万円で、50代がピーク帯とされていますが(出典: 厚生労働省)、60代でも資格と役割次第で高い水準を維持している事例は多くあります。

第1位:1・2級施工管理技士|求人数が最も多い

施工管理技士は、建設業法に基づく専任技術者・監理技術者の要件資格です。請負金額1億円以上の工事では専任の1級施工管理技士が必要であるため、企業は受注を続けるために有資格者を常に確保しなければなりません。若手が1級を取得するまでの間、経験豊富な60代の有資格者が配置要件を即座に満たせる存在として重宝されます。

2025年度の1級建築施工管理技士一次検定では受験者41,812人のうち合格者20,294人と合格率48.5%を記録しましたが(出典: 建設業振興基金)、合格者の中心は20〜40代です。60代の1級保有者はその希少性から、若い受験者と競合しにくい点が強みです。建設投資は2026年度に80兆7,300億円が見込まれており(出典: 建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」2025年10月)、工事量の増加とともに配置できる技術者の需要も連動して高まります。

60代の施工管理技士に期待される役割は、現場の前線作業よりも管理監督・後進育成・統括安全衛生管理といった業務が中心です。2024年4月から罰則付きで適用された時間外労働上限規制(いわゆる2024年問題)により、工程を段取りよく収めることができるベテランの存在価値はさらに高まっています(出典: 国土交通省)。体力的な負担を抑えながら専門性を発揮できる職場を選べば、70歳前後まで安定して続けられる資格のひとつです。

第2位:1級建築士|独占業務と資格の希少性が強み

1級建築士は規模の制限なく建物の設計と工事監理を担える国家資格で、2級建築士では扱えない大規模建築も業務範囲に含まれます。独占業務の性格から有資格者は常に一定数必要とされており、設計事務所・ゼネコン・官公庁の発注者支援・ハウスメーカーと幅広い就職先があります。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和6年)によると、建築設計技術者の平均年収は約632.8万円で、建設業の中では高い水準にあります。2025年の1級建築士試験では女性合格者の割合が過去最高の32.2%を記録しましたが(出典: 建築技術教育普及センター)、試験の総合合格率は2024年で8.8%と難関であり、保有者の希少性は維持されています。

建築士事務所に所属する建築士には3年ごとの定期講習が義務づけられています。この講習を継続することで資格が有効に保たれ、最新の法令や技術基準を把握できます。60代の1級建築士が活躍しやすいのは、確認検査機関・工事監理の統括・官公庁の発注者支援・後進育成といった知識と経験が直接活きる役割です。これらは体力より判断力が求められる業務であるため、年齢による制約が少ない傾向があります。

第3位:電気主任技術者(電験)|再生可能エネルギーで需要拡大

電気主任技術者(電験)は電気事業法に基づき、一定規模以上の電気設備を持つ施設すべてで選任義務があります。工場・ビル・病院・学校・大型商業施設に加え、近年は太陽光・風力などの再生可能エネルギー施設でも需要が拡大しています。資格に更新制度がなく取得後は生涯有効な点も、60代の長期就労に適しています。

電験三種は最も需要の裾野が広く、身近な施設での求人が数多くあります。第二種・第一種は対象施設が限られますが、大型電力設備での専門的な役割に強い引き合いがあります。選任常駐・外部委託・顧問という働き方の選択肢があり、週単位で複数施設を巡回する外部委託は体力的な負担を抑えながら収入を得やすい形として知られています。建設投資の拡大とインフラ整備が続く中、電気系保安技術者の不足感は当面解消しない見通しです。

第4位:宅地建物取引士|設置義務が安定した需要を生む

宅地建物取引士(宅建士)は、宅地建物取引業者の事務所に従業員5人に1人以上の設置が宅地建物取引業法で義務づけられています。2025年度の試験では245,462人が受験し合格率は18.7%でしたが(出典: 不動産適正取引推進機構)、業界全体の需要を満たし切れていない状態が続いています。

仲介・管理・賃貸・開発の各分野で幅広く求人があり、60代の宅建士は重要事項説明の場数と顧客対応の経験で評価されます。宅建士証は5年ごとの更新が必要であるため、有効期限の管理と法定講習の受講を続けることが大切です。不動産会社だけでなく、建設会社の不動産部門や都市開発に関わる部署でも活躍の場があります。週2〜3日の嘱託契約や業務委託という形でも継続的な需要があるため、体力や年金受給と組み合わせながら働くことができます。

第5位:技術士(建設部門)|専門性が直接収入に変わる

技術士は高度な技術的判断を行う国家資格で、建設コンサルタントの登録要件として使われます。2024年度の技術士建設部門第二次試験は受験者13,298人に対して合格者1,204人と合格率9.1%で(出典: 日本技術士会)、保有者の希少性が高い資格です。道路・河川・港湾などインフラ分野の設計・計画・発注者支援業務で活躍できます。

技術士の資格には有効期限がなく、継続研鑽(CPD)の記録を積み上げることで専門性の継続を示せます。業務委託で複数の案件に関わる形が多く、60代で自分のペースで働きたい方に向いています。専門性が直接収入に変わるため、希少な技術分野の経験を持つ技術士は高単価の案件に恵まれることがあります。コンサルタント業務や技術審査の求人は求人一覧でもご確認いただけます。

資格を活かすための2つの準備

60代でも需要のある資格を持っていても、証明書や講習の期限が切れていると担える役割が狭まります。転職活動の前に次の2点を確認しておきましょう。

  • 証明書・講習の期限を確認する: 監理技術者資格者証(5年ごと)・建築士の定期講習(3年ごと)・宅建士証(5年ごと)など、更新が必要な証明書の有効期限を一覧化し、期限前に余裕をもって手続きを進める。期限切れを放置すると、担えるポジションが大きく制限される。
  • 経験を数字で言語化する: 職務経歴書では「施工管理経験あり」ではなく、担当した工事の規模・件数・役割を具体的に示す。採用担当者がイメージしやすくなり、書類通過率が変わる。

改正高年齢者雇用安定法(2021年施行)により、70歳までの就業確保が企業の努力義務となっています(出典: 厚生労働省)。長く働ける環境が整いつつある今、資格の維持は単なる手続きではなく、70歳まで活躍し続けるための土台です。シニア有資格者の活躍事例は転職成功実績でも参照できます。転職の方向性を整理したいときは無料キャリア相談もご活用ください。

まとめ

60代でも需要が続く建設系資格に共通するのは、法律による配置義務という構造的な背景です。施工管理技士・1級建築士・電気主任技術者・宅建士・技術士のいずれも、業法上の要件として有資格者を必要とする仕組みがあり、人手不足が続く建設業界では60代を歓迎する企業が一定数存在します。

資格を最大限に活かすには、証明書の維持と経験の言語化という2つの準備が重要です。建設投資の拡大と就業者の減少が続く今、適切な準備を整えたシニア有資格者には確かな選択肢が広がっています。まずは手元の資格状況を確認するところから始めてみてください。

よくある質問

複数の資格を持っているほど転職で有利になりますか?

組み合わせ次第です。施工管理技士と1級建築士を両方持っていれば設計から監理まで担えるため、選択肢が広がります。一方、同じ系統の資格を複数持つより、異なる需要を生む資格の組み合わせが実務上の強みになりやすいです。

60代から新しく資格を取るとしたら何がおすすめですか?

すでに実務経験がある分野に関連した資格が最も効率的です。施工管理経験者なら監理技術者資格者証の更新、不動産経験者なら宅建士の取得が、即座に業務に直結します。合格難度が高い資格より、今の経験に直結するものを選ぶのが現実的な判断です。

資格は持っているが現場を10年ほど離れています。まだ評価されますか?

資格自体は有効ですが、空白期間が長い場合は最新の法令や基準を学び直す準備をしておくと採用担当者の安心感が高まります。施工管理技士の監理技術者講習や建築士の定期講習など、更新系の講習を受講しておくことが、現役感を示すアピールにもなります。

定年後に役立つ資格の需要はいつまで続きますか?

建設投資は2026年度に80兆7,300億円まで拡大する見通しで(出典: 建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」2025年10月)、需要は中長期で続く見込みです。また、2030年に建設就業者数が400万人を下回る可能性が国土交通省の試算で示されており(出典: 国土交通省)、有資格者の需要は少なくとも10年以上は高い水準が続くと考えられます。

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CIW Construction 編集部

執筆者:CIW Construction 編集部

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